損害賠償と運転者の責任

自動車事故によって持ち物を壊されたり、身体や生命をおびやかされた被害者に対して、加害者である運転者は、一定の責任を果たさなければなりません。もちろん、悪質な場合には刑事責任を問われて逮捕されてしまうということもありますし、行政処分としての点数が付加されて免許停止ということにもなるかもしれませんが、そうした社会に対する責任とは別に、被害者個人に対する責任も生じるのです。たとえば、被害者の持ち物を壊すという物損事故にとどまった場合であっても、民法上の不法行為ということになりますので、被害者に対して損害賠償をしなければなりません。これは通常であれば、持ち物の修理費であるとか、時価に相当する金額を、損害賠償金として支払うということになります。また、人身事故の場合にも同様に、ケガの治療費や通院費、精神的および肉体的苦痛に対する慰謝料などを損害賠償金として支払わなければならず、さらに死亡事故の場合には、当人が生きていたならば生涯の収入として得られたであろう逸失利益も遺族に対して支払わなければなりません。この場合に注意したいのは、通常の民事訴訟では訴えた被害者のほうが加害者の故意または過失を立証しなければならないのに対して、自動車事故の場合は特別法の規定により、加害者が一定の条件を立証できない限りは賠償責任を負うというしくみになっていることです。

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